アネモネは熱を帯びる 3巻

漫画

概要

この記事は「アネモネは熱を帯びる」第3巻のレビューです。

オススメポイント!
・圧倒的に濃厚な百合!!
・生徒会長、副生徒会長、先生の三角関係
・凪紗と茉白の最初の出会いがバレ、その問題を乗り越えられるのか

本の概要

作者桜木蓮先生
出版社芳文社
通称アネモネ
最新巻7巻(2024年8月現在)

恋愛度:5.0
甘さ度:4.5
その他:男なし

あらすじ

「嫌い」から「好き」へ。自分の気持ちを伝えることができ、毎日が楽しい凪紗。でも、「好き」はそう単純なものではなく…。分からないことはまだまだ多い―。「好き」を知った少女と「好き」を秘めた少女が織りなす濃密百合物語、第3巻。

簡易レビュー(まだ読んでいない人用)

凪紗と茉白に訪れる、一、二波乱。無事乗り越えられるのか?

過去にあった受験の日の出来事、あのとき助けてくれた子が凪紗であったことに気づいてしまいます。凪紗と茉白はこれについて、何を思うのか。それを乗り越えた先に何があるのか。

「好き」の気持ちが絡み合う3巻です。

ちゃんとレビュー(ネタバレ注意)

お付き合いおめでとう!!

そして、今巻も可愛いの暴力に完敗ですm(_ _)m

この巻では、凪紗と茉白、生徒会長と副生徒会長(りりちゃん)の関係が描かれていきます。まずは生徒会2トップについて。

2巻の最後に少しだけ出てきた、副生徒会長と、生徒会長の雰囲気がよろしくない状態から物語が始まります。

りりちゃんは生徒会長のことが好きなのですが、生徒会長は保健室の先生のことが好きで、三角関係が生まれます。ただ、生徒会長→保健室の先生は、生徒と先生の関係であるが故、気持ちを伝えることができません。一方、りりちゃん→生徒会長は、告白も何度もしているのですが、生徒会長の気持ちは変わらず断り続けます。

2人とも諦めが悪いこそ、りりちゃんと生徒会長の関係が叶わないにも関わらず、気持ちの一方通行が何度も続いていくのが見てて辛いですね。生徒会長がばっさり切り捨てれば良いのかもしれませんが、仕事仲間、同性、そして何より恋愛として好きでなくても、仲間、友達として好きであるがゆえに、強く否定することができません。この三角関係が今度どうなっていくのか気になります。

主人公2人については、いつも通りお互いドキドキさせていることが多いですが、2つの試練が訪れます。

1つめは、夏休みの予定について揉めるケンカです。茉白は、夏休みに海水浴に行きたいと凪紗を誘います。しかし、時折体調がよくない茉白のことが心配なため、海に行くのはダメだと凪紗は断りますが、茉白は行くと言ってくれるまで話を聞かないと駄々をこねます。

このときに拗ねたような、ぷくっとした顔の茉白がめちゃくちゃ可愛くないですか?怒っているのに可愛いのは反則です。

そんな反則的な顔にも屈せず(?)、凪紗も危ないからダメと忠告しますが、結局、危ないなら勉強して対策すればよいのではと図書館で本を読み漁ります。この行動は、なぎなぎらしさが出た部分ですね。連日、放課後すぐに教室からいなくなってしまう凪紗を見て、避けられていないか茉白は不安になります。自分から口を聞かないと言ったにも関わらず笑。

凪紗は勉強した末に、自分1人では限界があると悟り、茉白にそのことを伝えます。凪紗の伝え方、そして過程を報告しなかったせいで、茉白が勘違いして、見捨てないでと泣いて謝ります。海に行くことよりも凪紗との関係が壊れるのを危惧して、最後は折れて自分の非を認めてるところに、茉白の子供っぽさがあり、かわいらしいです。

2つめの試練の山は、茉白が凪紗の卒業写真を見て、凪紗が受験の日に助けてくれたこと、そして、それによって凪紗が本命の高校に受験できなかったことを知り絶望するシーンです。漫画でも印象的に描かれていますが、このときの茉白は強い悲壮感、罪悪感に襲われたことは間違いないでしょう。初めて目のハイライトがこのシーンで消えます。

お互いに傷つくシーンですが、個人的に、恋人になる前にこのステージを突破できたのは良かったなと思います。凪紗にとっては、「過去」の出来事として終わり、わざわざ蒸し返す必要はないと考えていますが、茉白にとっては、恋人の大事な転機、ましてや最初の出会いについて、善意によるものではありますが隠されていました。もし恋人になってから、このことを知らされたら、さらにショックが大きそうです。

過去の嫌な記憶という秘密を打ち明けるのって、どのタイミングでするのか難しいですよね。時が経つにつれて、その過去がより昔になって気にならなくなるかもしれない一方、その分隠されていた期間が長くなり、絶望感や相手に対する不信感が出てくる可能性も高くなります。よくあるのは、育ての親と生んだ親が違ってことを親が子に伝えるシーン。

今回、打ち明けられた側の茉白は、もう一緒にはいられない(凪紗に対する不信感は全くなく、これ以上迷惑をかけられないという優しさからくるもの)と部屋から出ていってしまいます。凪紗は過去の出来事を、今となっては茉白と出会えた特別な出来事であるとポジティブに捉え、茉白と一緒にいることの方が大事だと想い、後を追いかけます。

お互いにその時の出来事、そして入学してからの気持ちを正直に話し、無事仲直り、そして、特別な好きであることも伝えます。お互いの気持ちが伝わる瞬間は、とても感動的です。私は幸福すぎるというか、付き合った瞬間は涙が出ることが多いのですが、このシーンも例に漏れず泣いていました。無事恋人になって、良かったです!

最後、凪紗が家へと帰る前に、茉白が抱きつくシーンも大好きでです。「ありがとう」の中に、きっといろんな意味の感謝が込められいたのかなと想います。

4巻以降では、付き合ってからさらにイチャイチャななぎなぎと茉白、そして三角関係の話が展開されていきます。気になる方は要チェックです!!

最後、メタ的な視点になってしまうのですが、3巻がちゃんと過去の辛い思い出について話し合って解消するまで描いてくれて、嬉しかったです。販促的には、おそらく1つ前の話で終わった方が、続きが気になって4巻を買ってくれる読者が多そうですが、いち百合愛好家としては、精神的に苦しくなります笑。