ささやくように恋を唄う 6巻 相手を想う難しさ

漫画

概要

この記事は「ささやくように恋を唄う」第6巻のレビューです。

オススメポイント!
・志帆とアキの対決に巻き込まれるひまりと依
・相手を想いながらも、悩み葛藤する
・最後にはひまりと依が〇〇します!

本の概要

作者竹嶋えく先生
出版社一迅社
通称ささ恋
最新巻10巻

恋愛度:4.8
甘さ度:4.0

あらすじ

志帆をボーカルとするバンド・ローレライに、マネージャーとしてメンバー入りすることになったひまり。新しいチャレンジに胸を躍らせるひまりだったが、一方でアキや依はこの状況に思うところがあり…ひとめぼれから始まった恋物語、想い届ける第6巻。

簡易レビュー(まだ読んでいない人用)

相変わらず、可愛い2人の表紙で目を奪われます。

依は、目の前の誰かにひまりを取られないよう、牽制するような目つきで抱きしめます。幸せそうなひまりと対称的に、そして、まるでひまりを独占して、縛り付けるかのように。

この巻では、アキと志帆の対決に、依とひまりも巻き込まれていきます。各キャラクターたちが相手のことを思っての行動が、すれ違いを生み、また絶対に勝負に勝ちたいと強い気持ちも生まれます。依とひまりの恋人になってからの一波乱もありますが、最後は。。

舞台ささ恋で描かれていたストーリーが綴られている、波乱万丈の6巻です。

ちゃんとレビュー(ネタバレ注意)

文化祭の勝負を受け入れるため、ひまりがローレライのマネージャーになることを条件にした志帆。一同困惑し、さすがにアキもひまりに申し訳ないと思い、勝負をとりやめようとします。しかし、アキと志帆が仲直りすることを望んでいたひまりにとって、仲直りどころかより悪化するのは何としても避けたい。そこで、自らローレライのマネージャーをやると宣言し、なんとか約束は破棄されずに済みます。

ただ、ひまりがマネージャーになることに関しては、始がは負けてほしい側につくのは複雑ではないかと懸念し、百花先輩は恋人の相手側につくというのは依先輩にとっては気分の良いものではないかなと心配してくれます。志帆がいない時を見計らって、本当に大丈夫かと聞き、ダメそうなら私が説得するからとなだめる百花は先輩として理想的です。ひまりも、その優しさに答えるように、自分の考えだけで導き出した答えが依先輩にとっても正解なのか確認しに行きます。

依先輩に聞いたところ、問題ないと了承を受け、ひまりは安心します。一方、依はひまりから愛されていると分かっていながらも、自分から離れ、歌が上手い志帆の傍に行ってしまうことへの不安は消えずません。別れ際、ひまりの安心しきった屈託のない笑顔と対称的に、ひきつった顔の依は心を締め付けられます。相手の行動を尊重し、自分の気持ちを隠している優しさがある故に生じる歯がゆさがあります。

そして、文化祭の勝負に勝つため、SS GIRLSは真理の家で作戦会議します。にしても、家が屋敷だったり、メイドがいたりと正真正銘のお金持ちです。アキにも「香織は玉の輿だな。いいなー」と言われますが、本当にそうですね笑。かおとまりは、自他ともに公認の仲なのも、幼馴染だからこその熟年カップル感があってとても良きです。(余談ですが、舞台ささ恋では、この2人がまさにその雰囲気が再現されていました。)

そして、依とひまりのカラオケデート。このシーンに限りませんが、6巻は私服の姿が多く、髪型も少しアレンジがされてたりして、いつもと違う姿が見れるのもいいですね。

狭い部屋で2人っきり、依だけでなく、ひまりも歌います。隣に上手い人がいるからと気がひけると言うひまりですが、両手でマイクを持ちながら一生懸命歌っている姿はめちゃ可愛いです。あと、その後ご飯を挟むのですが、世界一美味しいと言われたパスタに自分が勝てているか気にしている依先輩面白い笑。

カラオケの最後、良い雰囲気になって、ひまりからキスしようとしますが、依は泉さんに対する嫉妬やドロドロとした感情から、キスを拒みます。ひまりのとても悲しそうな顔を見て、依はひどく後悔します。ただ、挽回のチャンスと言わんばかりに、デートの帰り道に花火大会の予定を決めます。気まずくなった後も、次の機会で汚名返上というか、繋げられるカップルは素敵で、きっと長続きする秘訣なのかなと思ったりもしました。

そして、いよいよ花火大会の日です。素敵な浴衣姿で最初楽しく過ごすものの、ローレライと会って依の様子が急変します。手を繋ぐのも嫌がられ、慌てたひまりは足をくじいて歩けなくなってしまい、人がいない場所へ移動します。そこでひまりは、どうして急に態度が変わってしまったのかと依に問います。嫌なムードをそのままにせず、正直に切り込んでいく姿からも、このままでは良くないと危機感を感じたのでしょう。依は話そうか、迷いますが、ひまりの涙を見て、正直に今の気持ちを伝えます。

矛盾に苦しみながらも、今のひまりから依への愛の大きさを伝え、それでも不安ならいつでも話しましょうとひまりは伝えます。要約すると、この1行なのですが、ギュッと気持ちの籠もったハグをし、説得している姿が、とても読者の私もぐっときました。これを計画的にしているのではなく、心の底から、純粋に思っている気持ちを言葉にしているからこそ、依先輩もひまりの言葉を信じ、安心できたのだと思います。この後のシーンは感動的で、言葉にすると陳腐になるので、割愛します。あらゆるポジティブの言葉が溢れ出てくるような気持ちになります。

その後、無事2人が仲直りした後、突然の雨に見舞われ、着替えるべく、依の家に行きます。何やら、やらしい雰囲気が漂いますね笑

6巻の話を見て、改めてささ恋の登場人物みんな良い子だなあ思いました。ひまりちゃんは良心の権化と言っても差し支えないくらい。基本的に皆、事態が悪化したときに、自分のせいだと考える自責思考です。また、相手の気持ちを考え、ときに相手のためを思って嘘をつきます。ただ、他人を大事にした結果、自分の気持ちと相反する行動にもなり、その葛藤も描かれています。

ひまりも、SSに勝ってほしいと思いつつも、ローレライのマネージャーとして、志帆の期待以上に動いてくれます。矛盾に自分で気づいていないあたり、純粋に両方とも応援したいという優しさが感じ取れます。ただ、2つのグループの間で、どちらかに付くべきか完全に優柔不断という訳ではなく、ちゃんと優先順位をつけ、1番である依先輩に嫌と言われたら、潔くマネージャーやめる決意があるのも芯のある部分が伺えます。

志帆ちゃんは、今までのストーリー中は完全にヒール役ですが、それはSS GIRLSと対峙しているときのみで、ローレライやひまりと接しているときは、優しさも見せています。SSとの間に何が志帆をそこまで変化してしまったのか。6巻でもその答えはお預けされてしまいますが、7, 8巻でその答えが出てきます。